【様々な葬儀の形】近年の葬式について

最もシンプルな「火葬式」

最もシンプルな「火葬式」の写真

葬儀の形は家族構成や時代の変化によって一般葬から家族葬や一日葬に変化していると述べましたが、簡略化という点から見ると最もシンプルな葬式は火葬式となります。火葬式はその名の通り、親族や親しい人たちだけが参列し火葬のみを執り行う式で、直葬や荼毘葬(だびそう)とも呼ばれています。火葬式では祭壇を飾り付けたり、通夜ぶるまいなどもありませんので、他の葬式に比べると接待費用などが大幅に軽減できる最も経済的な葬儀方法です。ただ法律上、死後24時間以上が経過しなければ火葬はできないと決まっているので、火葬式のみであっても火葬まで遺体を安置する場所を確保しておかなえればなりません。なお、24時間経てばすぐに火葬ができるかというと、最近では火葬場が込み合っていることが多く場合によっては1週間ほど待たされることもあります。しかも病院では死後の翌日以降の安置対応はしてくれませんし、遺体の腐敗を防ぐためにドライアイスを当てるといった専門的な処置も必要になります。そのため、火葬式であっても火葬までの流れを葬儀社と相談しておくとよいでしょう。また、一日葬と同様に菩提寺の理解が得られないといった可能性があるので、菩提寺との関係について考えておくといったことも必要です。なお、一般的な宗教様式にとらわれない火葬式ではありますが、僧侶に火葬場へ来ていただいてお別れの読経をしてもらうことは可能です。火葬式は故人をしのぶ時間がほとんどないままに終わってしまったと感じる人も少なくないので慎重に検討しましょう。